雑感アウトプット

アニメ、映画、漫画、小説、学術書等々の雑多な感想の書き残し。

響け!ユーフォニアム13話雑感

ユーフォ最終話「さよならコンクール」視聴しました。嬉しいやら寂しいやら、様々な感情が渦巻いているのですが、以下、感想を書き残します。

まず冒頭の久美子の起床シーン。ギンギンに冴えた目で目覚ましを即止めします。ここで久美子がコンクールにかける想いと彼女の緊張感とが視聴者に伝わり、一気に作品の世界観に引き込まれる、見事な演出です。第1話以来のポニーテールもその演出効果を助長します。
その他、久し振りの冬服、5時台の電車、閉まっている校門、その奥から響く楽器の音色等々、決戦を前にした非日常的な時間・空間が表現されていますね。
そしてお守りを渡すサブメンバーや部長の掛け声、極め付けは出陣前の滝先生の台詞「初めに戻ってしまいましたか?」。これらによって部員たちの精神的・意識的な成長が印象付けられています。まさに最終回に相応しいAパート。
この辺りですでに涙腺が緩んでいたのですが、演奏が始まると自然と涙が流れてしまいました。1つ1つの音が、本気で吹奏楽と向き合ってきた彼女たちの努力の結晶であり、青春の結実なのだと思えてなりません。特に麗奈のソロでは、彼女が放つ美しい音色に部員全員が恍惚とした表情を浮かべており、舞台の上で演奏することを心から楽しんでいることが伺えます。香織先輩のトランペットが好きな気持ちも、きっとここで報われたはずです。
ところで、視聴時には、立花の子がやたらとクローズアップされていたのが気にかかりましたが、演奏前も演奏中も周りに仲間のいる久美子との対比になっているという解釈をあとで知り、合点がいきましたね。
そしてラストの結果発表。緊張からか、なんとも言えない表情の久美子と、目に涙を溜める麗奈。明らかに1話アバンの中学時代のシーンをオーバーラップさせています。しかし今回の麗奈の涙が、感極まった嬉し泣きによるものだと一目で分かります。同じキャラの泣き顔で、正反対の感情を描き出す京アニの作画力に驚嘆です。今思えば、紙上で発表された時点ではダメ金の可能性もあったわけで、そこで麗奈が泣いていたということは、関西大会へ行けるだけの演奏ができたという確信めいたもの、あるいは自負があったのかもしれません。
1巻のコメンタリーで、メインスタッフが吹奏楽のコンクールに取材に行き、演出の山田さんが何故か泣いてしまったと仰っていたのを記憶しています。正直、何を馬鹿なと思ってそのコメンタリーは聞き流してしまったのですが(失礼な話です)、最終話を目にした私の感動は、山田さんのそれと少なからず一致していたと思います。吹奏楽に限らず、誰かが本気で何かにぶつかり、何かを得、失ったときの悲喜こもごもの感情には、部外者の心を打つものがあります。
青春っていいなあ。金賞おめでとう、北宇治高校吹奏楽部。
でも、目標は全国。まだ一歩を踏み出したにすぎません。新しい曲が待ち遠しいかぎりです。

次、響け!のまとめ雑感を書きます。